高松市の男木島沖の瀬戸内海で5月、瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)のツアー客ら25人をのせた旅客船から突如、火の手が上がった。近くで火災に気づいた漁師の男性はすぐさま自身の漁船を横付けし、救助を始めた。その男性が8日、あの日の救出劇を明かした。
5月16日午後5時半ごろ、高松市の漁師、谷沢清隆さん(66)は、漁船「萬吉丸」で沖に出てサワラ漁をしようとしていた。すると、300メートルほど先の海上に、黒い煙を噴き出す旅客船が見えた。火災だと直感した。
【動画】今年5月に、高松市の男木島沖で起きた旅客船火災=谷沢清隆さん撮影
漁船を飛ばし、火の手が上がる旅客船「第二十七むくじ丸」に横付けした。操舵(そうだ)室には、火柱が上がるのが見えた。その船には瀬戸芸の春会期のツアーの参加者ら25人が乗っていた。
「しゃんしゃんせぇ(急いで)!」
火の手が迫り、一刻の猶予も…