広島の地に、モーツァルトの響きが健やかに育っている。広島交響楽団の音楽監督に就任して2年目のクリスティアン・アルミンクに、現在のビジョンと楽団にかける思いを聞いた。
- 平和への祈り込めた広島交響楽団の演奏会 7日に大阪、8日に東京で
音の入りがふわりと柔らかい。モーツァルトらしいウィットと品格が、ウィーンの空気をまとって薫り立つ。奏者ひとりひとりの内側から自発的に音が生まれ、おのずと足並みがそろう。
「モーツァルトは演奏する人も聴く人も、より高い次元へと導いてくれる。被爆80周年という重要な年にこそふさわしい。打楽器や管楽器の色彩感に頼らず、弦楽器を軸に繊細に色合いを紡ぐ工夫をすることは、奏者たちにとっても最上のトレーニングになります」
音楽監督を務めた故秋山和慶…