9月1日施行の改正鳥獣保護管理法により、人の日常生活圏にヒグマなどが出没した際、市町村が銃で駆除できるようになる。これを受け14日、過去にヒグマが出没し、住宅街にも近い宮丘公園(札幌市西区)で大規模な訓練があった。
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市街地での猟銃使用はこれまで、人に危険が生じているとして警察官が命じた場合などを除き、原則禁止だった。
新たに可能となる「緊急銃猟」は、現場周辺の通行の制限や住民の避難など、安全を確保するための措置をとることが前提となる。
訓練はヒグマ1頭が出没したとの想定で実施。自治体職員や警察、猟友会など約100人が参加し、発砲にいたるまでの手順や各機関の動きについて確認した。
訓練後、札幌市の坂田一人環境共生担当課長は「関係機関が集まって対応を確認できたことは大きな一歩。ただ、避難誘導に時間を要する点や人手の確保の面など、実務上の課題も見えてきた」と述べた。
施行に向けてマニュアルを整備するとともに、訓練を重ねて課題の洗い出しと改善を進める方針だ。