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インド北部キシュトワルで2025年8月14日、豪雨の後に泥まみれになった女性(中央)。ANI通信の映像から=ロイター
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 インド北部の山岳地帯で、大規模な鉄砲水が相次いでいる。地元メディアは、ヒマラヤ山脈のふもとの同国北部で近年、水害の発生頻度や犠牲者数が増えていると報じている。背景に気候変動の影響も指摘されている。

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 北部ジャム・カシミールで14日、鉄砲水が発生。少なくとも60人が死亡した。PTI通信が伝えた。行方不明者も多数いるとみられる。

 現地報道によると、現場は山間部の村で、ヒンドゥー教寺院への巡礼ルートの拠点だ。年に1度の巡礼期間中で、多数の巡礼者が滞在していた村の施設も流されたとみられる。連邦政府は災害対応部隊を派遣した。

 5日には、北部ウッタラカンド州で鉄砲水が起きたばかりだった。現地の人道支援団体などによると、少なくとも6人が死亡、68人以上が行方不明だという。地元紙インディアン・エクスプレスは、集落の上流部で、氷河から溶け出した水でできた湖が決壊した可能性があるとの専門家の見解を伝えた。気象当局が原因究明を進めている。

 地元紙タイムズ・オブ・インディアは、過去10年間に同州だけで、鉄砲水や地滑りにより705人が死亡したと報道。この15年で水害の頻度が増え、規模も大きくなっているとの研究を引用し、気候変動により付近が水害の「ホットスポット」になりつつあるとした。

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