停戦への具体的な進展を示せないまま終わった米国とロシアの首脳会談。ロシアの侵攻が続くウクライナでは、平穏な暮らしを奪われた人々が、自分たちの代表者がいない場で自国の将来が話し合われる会談に複雑な思いを抱きながら、議論の行方を見守った。
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西部リビウのリリア・ゼムレンスカさん(50)は15日夜から一晩中、米ロ首脳会談のニュースを追い続けた。今回の会談にウクライナのゼレンスキー大統領は招かれておらず、「ウクライナ抜きでウクライナのことを話し合うなんて受け入れられない」と怒りを感じ、結局眠れなかった。
3年前にロシアの全面侵攻が始まると、夫と息子の家族3人で暮らしていた東部ドネツク州から避難を余儀なくされた。ドネツク州はその後、他の東部や中南部の3州と合わせてロシアが一方的に併合を宣言。ゼムレンスカさんはそれでも「いつか帰れる日が来る」と信じて避難生活に耐えてきた。
しかし、今回の米ロ首脳会談…