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朝鮮半島

 朝鮮半島の有事を想定した定例の米韓合同軍事演習「乙支(ウルチ)フリーダムシールド」が18日午前に始まった。28日まで実施される予定で、6月に発足した李在明(イジェミョン)政権下では初めてとなる。北朝鮮は反発しており、米韓両国は反応を注視している。

 今回の演習では、約40件の野外機動訓練のうち約20件が9月に延期された。韓国軍は、猛暑など多様な要素を総合的に検討した結果だと説明しているが、南北の緊張緩和を掲げる李政権が北朝鮮に配慮した可能性が指摘されている。

 北朝鮮は演習に反発している。努光鉄(ノグァンチョル)国防相は10日付の談話で一線を越える挑発行為には「自衛権に基づく主権的権利を厳格に行使する」と警告。金正恩(キムジョンウン)総書記の妹の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長は14日の談話で、野外機動訓練の一部延期について「評価されるようなものではない」とした。

 韓国の李大統領は15日の演説で、北朝鮮向けの拡声機による宣伝放送を中止したことや、対北朝鮮のビラ散布をやめるよう民間団体に要請したことなどを列挙。「今後も緊張緩和と信頼回復のための措置を一貫して取っていく」とし、北朝鮮との対話再開を目指す考えを改めて示した。

 18日の閣議でも南北関係の重要性を指摘し、これまでの南北合意のうち可能な部分から段階的な履行を準備するよう関係官庁に指示した。

 韓国の専門家らは、米韓合同軍事演習に北朝鮮がどう対応してくるのかが、今後の南北関係を占う一つのカギになるとみている。

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