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富山県不登校を考えるネットワークの会見。「不安や悩みがあれば相談を」と窓口一覧を紹介した=2025年8月12日、富山市新富町1丁目、佐藤美千代撮影
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 「自分のいのちを守るために、あなたのこころの声を聴いて」。不登校の苦しさや不安を経験した人が、同じ境遇の子どもに呼びかけた。夏休み明けを前にメッセージを伝えたいと「富山県不登校を考えるネットワーク」が会見し、休みたい子を無理に登校させない配慮を求めた。

 県内のフリースクールや親の会でつくる同ネットは、学校に行けない子どもと家族を支援している。長期の休み明けに、自ら命を絶つ子どももいることから、助けになる情報を発信しようと、相談窓口などを紹介した。

 経験者としてメッセージを読み上げたのは、中学時代に不登校だった富山市の女性(23)。「学校が始まるのが怖かった。そして生きているのが辛(つら)かった。私はそんな夏休みの終わりを過ごしていました」「本を読み、好きな言葉をメモすることに夢中だった」と当時を振り返った。

 「あなたには、何か夢中になれるものがありますか? すぐに見つからなくても大丈夫」と、生きづらさを抱える子を励ました。「ゲームにはリセットボタンがあって(中略)やり直すことができるけど、自分のいのちにはリセットボタンがない」。だから、あなたのこころの声を聴いてみて、と締めくくった。

 文部科学省の調査によると、不登校の小中学生は年々増え、2023年度は全国に約34万6千人、県内には2641人。同ネットの高和正純代表は、増えること自体は問題ではないとし、「学校に行くのがつらい時は、休養を取ることが教育機会確保法で認められている」と説明した。他方、一律の休みが終わって学校が始まると「通わなければならない雰囲気が強まり、とてもつらくなる子がいるのが事実」と述べた。

 高和さんは、子どもにとって家庭を安心できる居場所にすることや、同じ立場の親同士で悩みを共有することが大切だと話した。同ネット作成の「とやま よりそいマップ」(https://www.pref.toyama.jp/3002/yorisoimap.html別ウインドウで開きます)には、相談機関や支援団体の連絡先が収録されている。

子どもの相談窓口

(富山県不登校を考えるネットワーク作成の一覧から)

【全国】

文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」0120・0・78310

社会的包摂サポートセンター「よりそいホットライン」0120・279・338

自殺対策支援センターライフリンク「#いのちSOS」0120・061・338

チャイルドライン支援センター「チャイルドライン」0120・99・7777

【富山県内】

県「こども総合サポートプラザ」076・481・7401

県「こども・若者総合相談センター」076・411・9003

県教育委員会「24時間いじめ相談電話」076・444・6320

富山市子育て支援センター「子どもほっとダイヤル」0120・874・440

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