体の右半分がオス、左半分がメスという珍しい特徴を持つノコギリクワガタが、島根県雲南市で捕獲された。寄贈を受けた島根県立三瓶自然館サヒメル(大田市三瓶町)で展示されている。
同館によると、「雌雄(しゆう)モザイク」と呼ばれる個体で、突然変異によって数万匹に1匹の割合で現れるという。島根県内では過去に少なくともヒラタクワガタ2匹、ゴマシジミというチョウ1匹の計3件の報告例がある。
今回のノコギリクワガタは7月中旬、雲南市内の会社敷地内で社員が偶然に見つけ、サヒメルへ寄贈。体長は体の右側が約4.3センチ、左側が約3.3センチ。生殖能力はないとみられるという。
ノコギリクワガタは通常の個体でも冬を越して生きることはできず、サヒメルでは展示後、標本として保存する方針だ。学芸員は「めったに見ることができないクワガタなので、この機会に見に訪れてもらえたら。身近な自然界でも、不思議な現象が起こることを知ってほしいです」と話している。