高校野球の発展に尽くした指導者を日本高校野球連盟と朝日新聞社が表彰する今年の育成功労賞に、県内から青野浩彦・東筑高野球部監督(65)が選ばれた。43年間の指導経験や、自主性を重視する指導方法などが評価された。選手権大会期間中の8月15日、阪神甲子園球場で表彰された。
東筑は青野さんの母校。1978年に主将としてチームを率い、夏の甲子園に出場。3回戦に進出しベスト16まで進んだ。「甲子園の雰囲気を味わうことなく必死にやって、あっという間に終わってしまった」と振り返る。
卒業後は筑波大学に進学。一般企業に就職するつもりだったが、1983年に新設された北九州高校の硬式野球部の指導を始めた。94年には東筑に。その後異動も経験したが、16年に再び東筑に復帰した。
青野さんが指導者として東筑を甲子園に導いたのは、春夏あわせて計4回。2000年に入って以降、福岡で甲子園の土を踏んだ公立高校は東筑だけだ。今春の県大会では優勝を果たし、九州大会に出場。8強入りした。
学校に部専用グラウンドはない。限られた時間を有効に使えるよう、自主性を重んじた練習に取り組む。「選手によって鍛えたいところが違う。横並びで練習するのではなく、自分で課題をみつけてほしい」と願う。
15日には甲子園での表彰式があり、8年ぶりに夏の甲子園の土を踏んだ。「何度来ても感動を味わわせてくれる場所」と感じたという。
東筑は今夏、福岡大会で4回戦敗退。青野監督は勇退を表明したが、「まだまだ元気なので、何らかの形で引き続き高校野球に貢献できればと思っています」と笑顔で話した。