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中国代表に選ばれ喜ぶ総社市立総社東中=2025年8月23日、山口県周南市、河原田慎一撮影

 第66回全日本吹奏楽コンクール中国大会(中国吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は23日、山口県周南市の市文化会館で中学生の部があり、中国5県から21団体が出場した。

 審査の結果、出雲市立一(島根)、総社市立総社東(岡山)、桑の華ウインドアンサンブル(山口)が、10月18日に宇都宮市で開かれる第73回全日本吹奏楽コンクールの中国代表に決まった。

 結果は次の通り。(演奏順、◎は中国代表)

 【金賞】岡山市立京山、広島市立安佐、山口市立小郡、出雲市立大社、◎出雲市立一(島根)、SUO国府ウインドアンサンブル(山口)、府中市立府中学園(広島)、◎総社市立総社東(岡山)、◎桑の華ウインドアンサンブル(山口)

 【銀賞】修道(広島)、松江市立東出雲、津山市立津山東(岡山)、下松市立末武(山口)、広島市立翠町、米子市立後藤ケ丘(鳥取)、倉敷市立南(岡山)、出雲市立河南(島根)

 【銅賞】周南市立岐陽(山口)、米子市立福米(鳥取)、倉敷市立味野(岡山)、鳥取市立桜ケ丘

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出雲市立第一中
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総社市立総社東中
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桑の華ウインドアンサンブル
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中国代表として全日本吹奏楽コンクールへの出場を決めた3団体=2025年8月23日、山口県周南市、河原田慎一撮影

演奏レビュー

 中国大会中学生の部では、吹奏楽の世界の往年の名作や次代に受け継がれる作品を、純粋な心でうたい上げる名演が続いた。

 朝一番の舞台に立った周南市立岐陽(山口)は、銅賞を受賞。課題曲Ⅰの「祝い唄」の部分を、一音一音を大事にしっとりとうたった。自由曲の「第六の幸福をもたらす宿」でも温かみのあるサウンドを披露。つながっていくソロを大事に奏でた。

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周南市立岐陽中=2025年8月23日、山口県周南市、河原田慎一撮影

 修道(広島)は、「兄バンド」である高校も中国大会に出場している。中学のスクールバンド班長の日域永翔(じついきえいと)さん(3年)は「高校生のうまい演奏、『修道の音』を毎日聴けて、学べることが多かった」。自由曲の「聖歌と祭り」では金管が厚みのある安定したサウンドを積み上げ、聖歌の厳かな雰囲気を表現していた。結果は銀賞だった。

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修道中=2025年8月23日、山口県周南市、河原田慎一撮影

 米子市立福米(鳥取)は銅賞。演奏前、舞台で顧問教諭の足立明音さんが緊張した面持ちで待つ生徒たちに小声で話しかけた。「2階席を意識して、笑顔で頑張ろう。よろしくね」

 明瞭な発音で、喜歌劇「ロシアの皇太子」のオープニングを華やかに奏でた。タンゴのリズムにのってサックスが大人っぽくうたい上げ、会場を社交界の雰囲気に変えて客席を楽しませる演奏。部長の安達さらささん(3年)は「ミスがあっても気にせずに、音楽をつなげていけた。男女が情熱的に踊るタンゴの部分の表現など、楽しんで演奏できた」と満足そうに振り返った。

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米子市立福米中=2025年8月23日、山口県周南市、河原田慎一撮影

 津山市立津山東(岡山)は、この日の舞台で最少の14人で演奏。「バンドのための民話」をむらのない響きと安定した和声進行で美しく聴かせ、銀賞を受けた。

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津山市立津山東中=2025年8月23日午前11時21分、山口県周南市、河原田慎一撮影

 岡山市立京山は、「ティアエスの祈り」のドラマチックな展開を、マリンバを中心とした打楽器の高い表現力で説得力をもって浮かび上がらせた。サクソフォンと木管低音のハーモニーが美しく響く演奏で、金賞に輝いた。

 マリンバのソロを奏でた部長…

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