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平和創造のために必要なことについて話す高部優子・明星大教授=7月23日、東京都日野市

 戦後80年の今年、式典など様々な場面で平和への誓いがなされてきました。平和を祈ることは大切だけど、平和を創るために必要なことは他に何があるのでしょうか。そもそも今は平和なのでしょうか。紛争解決のアニメーションなどを制作してきた高部優子・明星大教授に、「これからの平和創造」について聞きました。

 もともと都内の高校で社会科の教員をしていました。足を投げ出し、化粧をしながら授業を受けていた生徒が、日本軍の戦時性暴力のドキュメンタリーを見て、「なんでこんなことが起きたの」と。

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「教え子を戦場に送らない」 教員が広げた戦後の平和教育

 映像の力はすごい、映像を作りたいと思うようになりました。その後、NHKでディレクターをしたり、ドキュメンタリーを製作したりしました。

 そもそも、日本の戦後の「平和教育」は「教え子を再び戦場に送らない」という教員たちの強い思いから広がりました。広島、長崎の被爆者や沖縄戦の体験者などの証言を聞いて、感想を書くといったものが多かったと思います。

 感情を動かし「戦争はいけな…

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