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銚子市内で唯一、今も諸味を木おけに仕込み、12カ月以上熟成させている醬油の醸造元・小倉醬油。100年余り使い込んだ木おけが蔵に並ぶ=千葉県銚子市八木町、根岸敦生撮影
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 4月1日付で、栃木県の足利支局から千葉県の銚子に転勤した。その前の成田支局を含め、3カ所続けて利根川・江戸川水系の勤務地になった。

 最初の仕事はあいさつ回り。訪ねた銚子市役所で小さな記念碑が目についた。

 「ヒゲタ醬油(しょうゆ)工場跡」。1803(享和3)年に同社の中興の祖・田中玄蕃が醸造場を開いた場所だという。

 古地図で確認すると、すぐ裏は利根川。荷役をする「河岸」があった。

 物流を舟運に頼った時代は、日本列島が逆「く」の字に曲がった銚子の犬吠埼が難所だった。西からの黒潮の流れは最大4ノット(時速約7.4キロ)と、動力船が出現するまでは流れを乗り切るのが難しかった。「阿波の鳴門か銚子の川口、伊良湖渡合(どあい)(伊良湖水道)恐ろしや」と当時の船頭は言ったという。

 そこで登場するのが「内川廻(まわ)し」。東京湾に注ぎこんでいた利根川の河口が銚子に移り(東遷)、江戸川が開削されたことでできた航路だ。

 東北地方の米などの物資は…

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