三菱商事は、千葉県と秋田県の沖合計3海域で計画する洋上風力発電事業について撤退する方向で最終調整に入った。物価高や円安などに伴う建設コストの高騰を受け、採算の見通しが悪化したことが要因だ。洋上風力は、国が再生可能エネルギー普及の「切り札」と位置づけているが、撤退となれば政策の練り直しも迫られそうだ。
複数の関係者が認めた。早ければ週内にも正式決定する見通しだ。三菱商事は26日、「当社として発表したものではなく、現時点で決定した事実はございません」とコメントを出した。
三菱商事を中心とする事業体は国の公募に応じて、2021年12月に事業者に選ばれ、28年以降に運転を始める予定だった。3海域含めた発電規模は約170万キロワットと原発1.7基分にあたる。
ただ、その後の資源高や金利…