「週刊新潮」が掲載したコラム「変見自在」で、作家の深沢潮さんらが「日本名を使うな」などと名指しで差別を受けた問題で、深沢さんの代理人弁護士は27日、「新潮社が最後まで向き合おうとしなかった」として、深沢さんが新潮社に契約解消を申し入れ、刊行した作品の出版権を引き揚げる意向を明らかにした。7月下旬のコラム掲載から1カ月ほどで、やりとりは決裂した形になった。
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深沢さんは、新潮社に問題の総括と文書での謝罪を行い、批判・反論のために週刊新潮に最低8ページの誌面を確保するよう求めていた。これに対し、新潮社は12日付で「厳しいご批判を受ける事態に至った」などと文書で回答した。
この回答について、深沢さん側は「『批判を受ける事態』になったことの謝罪にしか読めない」と判断。コラムが差別的で人権侵害にあたるとの認識を持っているかや、反論のための分量や方法について具体的な提案をするよう、新潮社に改めて回答を求めていた。
「反論する意欲も喪失した」
代理人によると、新潮社の再…