「レジにて3割引」「お買い得品!」。豚肉の細切れにイワシ、ベーコンといった無数の食料品の値引きシールを重ね合わせて、渦巻き模様の平面作品「吝嗇(りんしょく)家」を創作した。20年以上前から買い物のたびに集めて貼り続けた。茨城県坂東市の美術作家・佐久間あすかさん(53)は、日常の積み重ねをテーマに、廃棄物を使って芸術作品を作り続けている。
長野県出身。東京芸術大学美術学部デザイン科に進学し、大学院博士課程を修了した。元々は重たい石や金属を加工する立体アートに関心があったが、体力的にしんどさを感じた。
子どもの時から才能に自信があっただけに、挫折感が大きかった。
では、自分らしいアートとは何か。
誰もができる技術で
高価な絵の具や筆を使って高…