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2022年7月、世界選手権の記者会見に臨む世界陸連のセバスチャン・コー会長=米オレゴン、藤原伸雄撮影

 世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長が8月、朝日新聞のインタビューに応じた。2021年の東京オリンピック(五輪)で「日本には恩がある。誰もが楽しめる時期にまた陸上を持ってくる」と宣言してから約4年。世界選手権東京大会は9月13日に開幕する。

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 東京大会が間もなく開かれます。とてもワクワクしています。

 具体的な数は予想できませんが、世界記録がたくさん生まれてほしい。その可能性を持った選手は現在10~15人ほどいます。数年前までは1、2人ぐらいだったのに。

 男子棒高跳びのアルマント・デュプランティス(スウェーデン)はその一人。女子では中距離のフェイス・キピエゴンやベアトリス・チェベト(ともにケニア)がいます。種目では男女ともに400メートル障害を挙げます。とても高いレベルでの競争が起きています。

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 日本の選手も忘れてはいけません。女子やり投げの北口榛花に男子110メートル障害の村竹ラシッド(ともにJAL)。男子400メートルリレーや男子20キロ競歩も素晴らしい選手がそろう。

 20年ほど昔なら、日本と言えばマラソンや1万メートルといった持久系の種目ばかりが目立った印象でした。今は違う。フィールドもスプリント系の種目でもメダル争いが期待できます。

 運営側にとっては、これは重要なことです。開催地の代表が強ければ、チケットの売り上げに直結するからです。

 日本での世界選手権は3度目です。WAの理事会は、様々な要素を考慮して開催地を決めます。我々の戦略に沿うことはもちろん、開催国内の陸上競技の存在や情熱、商業性に集客力などです。

 東京五輪から4年で開催され…

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