日米関税交渉を担当する赤沢亮正経済再生相の訪米が28日、出発直前に中止になった。赤沢氏は今回の訪米で、7月下旬に合意した対米投資の詳細などを詰めたうえで、まだ実現していない自動車関税の引き下げや、相互関税の特例措置を適用する大統領令を出してもらうことを期待していた。だが、複数の関係者によると、米側と折り合いがつかない点があり、大統領令が出される見込みが得られなかったという。
赤沢氏は同日午前の便でワシントンを訪れ、米閣僚と会う予定だった。それが急きょ、事務方だけが訪米することになった。赤沢氏の訪米は、事務レベルの協議の進展をみて、改めて判断するという。
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林芳正官房長官は同日午前の会見で、「米側との調整の中で事務的に議論すべき点があることが判明した。事務レベルで協議を続ける」と述べた。
日米両政府は7月23日、米国が自動車関税と相互関税をそれぞれ15%に引き下げる代わりに、日本は5500億ドル(約80兆円)の対米投資を行うことで合意した。今回の協議では、巨額の投資に関して金利や融資期間などの細部を確認し、共同文書を発表する予定だった。
日本政府はこれまで、文書は「必要ない」との立場だった。だが、日本の対米投資が本当に行われるのかとの懸念が高まった米側から文書の作成を求められ、一転して受け入れる形となった。日本は文書を出す代わりに、相互関税の税率負担を軽くする特例措置や、自動車関税を引き下げるための大統領令を出してもらう方針だった。