「歴史的メンチカツ」「圧倒的クリームパン」――。一風変わった名前の商品を、自らマイクを握って売るスーパーの社長がいる。社長就任15年で年商は倍増。八ケ岳南麓（なんろく）にある店を、県外客も多く訪れる人気店に育てた剛腕だ。仕入れた商品一つ一つに向き合って紡ぐ言葉は、借金4億円と一緒に経営を任された逆境が生んだ。
「あなたはクリームパンを食べて泣いたことはありますか」「私は4回あります」
「ひまわり市場（いちば）」では、そんなマイクパフォーマンスが日々店内を盛り上げる。マイクの声の主は那波秀和社長(56)。台本はなく、アドリブでよどみなくしゃべり倒す。
すしを握りながらでも、事務所で伝票を作りながらでも、ピンマイクを使ってしゃべり続ける。
メンチカツ、地球の反対側からも
8月の週末、店舗内では「歴…
