「有権者のみなさま、市長課長です!」
オレンジ色の法被姿で、駆け足で舞台に登場したのは、福岡県太宰府市の楠田大蔵市長(50)。タレントの高田課長とともに6日、福岡市であった漫才コンクール「M-1グランプリ」の1回戦に出場した。政治風刺や太宰府市の話題を盛り込んだ約2分間のネタを披露した。
太宰府に関心を持ってもらおうと出場を決め、100回以上もネタ合わせを重ねて臨んだ。「大学の卒業証明書を持ってきました!」「19.2秒!」など、静岡県伊東市長の学歴詐称疑惑にからめて楠田市長がボケると、高田課長が勢いよくツッコミを入れ、会場に笑い声が響いた。「朝昼晩、梅ケ枝餅」と地元の名物も取り上げた。
盛り上がりの中、最後は時間切れのブザーとともに退場。衆院議員経験もあり、人前で話すのは慣れている楠田市長だが、「演説とは全く違う。2人組で舞台に立つのは初めてで、緊張した」と語った。
審査の結果、見事に1回戦を突破。今年12月に予定される市長選には立候補しない考えを示しているが、「お笑いは難しいから、芸人さんにはなれないかな」とはにかんだ。