日本一人口が少ない町として知られる山梨県の南西端の早川町で初めてのコンビニエンスストアが8日、開店した。町民は減り続けて800人と少し。南アルプスの懐に抱かれた町に秘湯は多くあれど、スーパーやコンビニはなく、住民は満足な買い物も難しかった。コンビニが小さな町の大きな希望となるか。
町のほぼ中央にある集落・保にグランドオープンしたのは、「ヤマザキYショップ麓の直売所」。セレモニーには深沢肇町長(70)をはじめ、教育長や町議会議長、観光協会長など町の重鎮が並び、期待の大きさをうかがわせた。
コンビニができた場所には以前、「麓の直売所」という店があり、地元でとれた野菜や日用品が並んでいた。だが、商品点数が限られていたため、多くの町民は町の中央部から車で30分かかる隣町のスーパーまで行くか、移動販売に頼っていた。
昨秋に就任した深沢町長は、考えていた。「自分で好きなものを選んで買う。当たり前のことがこの町ではできない。買い物は生活の根幹。なんとかコンビニをつくりたい」。町の活性化を担う「南アルプスふるさと活性化財団」事務局長の湯村進一さん(50)に願いを託した。
だが、いくつもの壁が立ちはだかった。
大手コンビニじゃない理由
ひとつは販売形態だった。湯…