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 自動車の内装材や衣類などを手がける「総合繊維業」のセーレンは、経営再建中の繊維大手のユニチカから78億円で一部の事業を買い取ることにしました。立ちゆかなくなって手放す事業を手に入れてうまくいくのでしょうか。

 セーレンを38年にわたり率いてきた川田達男会長(85)は「1年目から黒字にできるとの手応えを感じています」と言います。その自信を裏付けるのは、20年前の事業買収です。

 2005年、苦境に陥っていた名門企業カネボウの繊維事業を引き継ぎました。「あのタイミングで引き受けたことで、糸から織物まで一貫したものづくりができるようになった」。その後、売り上げを伸ばし、今の事業展開につながりました。

 セーレンは136年前、福井市で絹織物の不要な成分を洗い落として光沢を出す精練業から始まった会社です。戦後、多角化を進め、カネボウから引き取った事業は、ものづくりの幅を大きく広げました。

 ――ユニチカの岡崎事業所はポリエステルの糸や不織布などを生産しています。採算が悪化した原因は。

 「赤字を毎年垂れ流し、ほとんど投資をしてこなかった。もうけが出ないのに作り続けている製品や、お客さんの都合でやめられない製品があり、私から見れば、まったく経営していなかったという感じです」

 「お客さんに、この値段では無理ですと、言うべきことを言う、やるべきことをやれば、即刻改善できるんじゃないでしょうか。やるべきではない仕事もあり、売り上げは300億円から200億円ぐらいに減るとみています」

 ――どう立て直しますか。

 「今やっている仕事をみると…

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