金(ゴールド)が史上最高値を更新し続けている。今月には1グラムあたりの店頭小売価格(税込み)が初めて1万9000円台にのせ、2年で2倍近くになった。「安全資産」の金にマネーが向かう背景には、米経済の減速に対する警戒に加え、ドルの信認の揺らぎがある。
地金商最大手の田中貴金属工業が9日午前に公表した小売価格は、1グラム=1万9027円。11日午前はさらに上がった。今年1月の1万4000円台後半からは、3割近くも値を上げている。
金は過去5年ほど、価格を上げてきた。この間、新型コロナウイルスの感染拡大、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の緊迫化などが起きた。埋蔵量が限られる金は希少価値が保たれるため、投資家の不安心理が高まると「有事の金」として買われやすい。
国内の小売価格は2023年8月に初めて1グラム=1万円の大台を突破し、以降も上昇が続く。根強い円安ドル高も支えとなる。国内の金価格は、ドル建てで決まる国際価格を元に、為替などを加味して決まるためだ。
「年内には2万円に」
足元の上昇の背景には、米経…