Smiley face
写真・図版
男子100メートル決勝、優勝したオブリク・セビル(手前)、2位のキシェーン・トンプソン(右)、3位のノア・ライルズ(中央奥)=内田光撮影

 陸上の世界選手権(世界陸上)東京大会は第2日は14日、東京・国立競技場発着であり、男子100メートルはオブリク・セビル(ジャマイカ)が9秒77の自己ベストで世界選手権初の金メダルを手にした。

  • 日本人の走りを変えたカール・ルイスの衝撃 34年ぶりの「発見」は

守ったボルトの金言

 ジャマイカに、2015年大会でウサイン・ボルトが優勝して以来の男子100メートル王座を取り戻した。24歳のセビルだ。

 1回目のピストルで、隣のテボゴ(ボツワナ)がフライング。国立競技場の緊迫感はピークに達した。が、次のスタートでも冷静だった。四肢を大きく揺らすフォームは、どこかボルトに似る。同じジャマイカのトンプソンを最後にかわした。

 自己新記録の9秒77。21年東京五輪でイタリアのヤコブスが出した9秒80を上回る、日本で記録された史上最速タイムだ。喜びでユニホームを真っ二つに引きちぎり、満員の国立競技場に日本語でさけんだ。

 「ありがとう」

 準決勝に進出した東京五輪が、世界大会のデビューだった。22年、23年の世界選手権は4位。今季世界5位のタイムで今大会を迎えていた。

 決勝の2時間前、実はボルトが予言していた。「プレッシャーがかかる場面で、落ち着いて実力を出せるかどうかが鍵」

 セビルが練習するレーサーズ・トラッククラブには、ボルトがかつて所属していた。レジェンドの金言を守り、米国からスプリント王国の座を奪還した。

共有