【動画】超新星「SN 2021yfj」爆発直前の想像図=(C)Keck Observatory/Adam Makarenko
最期を迎えた巨大星が爆発する超新星で、星の深部構造が明らかになる現象を国際チームが初めて観測した。恒星進化の理論を裏付けるとともに、星の最期に起きたと思われる、まるで皮や肉をはぎとり、骨まであらわにするような「激しい現象」は何か、新たな謎を投げかける。成果は英科学誌ネイチャーに載った(https://doi.org/10.1038/s41586-025-09375-3)。
恒星内部の「タマネギ構造」
恒星の中心部では高温・高圧下で核融合が起き、軽い元素からより重い元素が合成されていく。
最初は、水素からヘリウムがつくられ、進化とともに、炭素、酸素、ネオン、マグネシウム、ケイ素、硫黄、アルゴン、鉄といったより重い元素ができる。
結果、恒星の内部は、中心部の重い元素の層を、過去につくられたより軽い元素の層が包み込む「タマネギ」のような層構造になると理論的に考えられている。しかし、深部構造を直接的に観測できたことはなかった。
その状況を変えたのが、チー…