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事故が起きた横断歩道の近くには献花があった。上方の造花は、裁判の結審後、遺族が置いたという=2025年9月12日午前11時54分、福島県郡山市駅前1丁目

 福島県郡山市で1月、大学受験で訪れていた女性が車にはねられて死亡した事故で、自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた同市の無職池田怜平被告(35)の裁判員裁判の判決公判が17日、福島地裁郡山支部であった。下山洋司裁判長は危険運転致死傷罪の成立を認め、懲役12年(求刑懲役16年)の実刑を言い渡した。

 被告側は「信号を見ておらず、危険運転には当たらない」として起訴内容の一部を否定。公判では危険運転致死傷罪の成否が争点となっていた。併せて起訴された道路交通法違反(酒気帯び運転)の罪については認めていた。

 起訴状などによると、被告は1月22日午前6時32分ごろ、呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールが入った酒気帯び状態で軽乗用車を運転。JR郡山駅西口交差点で横断歩道を渡っていた大阪府から来た10代の予備校生の女性をはねて死亡させた。はね飛ばした予備校生を横断中の郡山市内の20代女性の自転車に衝突させ、この女性に2週間のけがを負わせたとされる。

 公判では亡くなった予備校生の母らが被害者参加制度で意見陳述。母は「事故ではなく、殺されたと思っている。最も重い刑罰を科していただきたい」と訴えた。

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