半導体工場誘致を契機に、岩手県北上市で市立大学を作る構想が浮上し、市民から賛否両論がわき起こっている。少子化が進む中、費用負担に不安を感じる市民グループが計画の再考を求める一方、活性化の起爆剤として期待する声もある。市は「高等教育機関の設置」が長年の悲願で、構想実現に向け進もうとしている。
人口10万人足らずの岩手県の北上市で、市立大学を新設する構想が持ち上がっています。少子化の時代になぜ?取材を進めると市が構想を進める背景が浮かび上がってきました。
「将来に向けて必要な投資。北上市立大学を本通り2丁目に設置することについて、支持する」
本通り商店街など北上市中心部の商店街関係者らが8日、八重樫浩文市長に要望書を手渡した。八重樫市長は「次のステップに移るための議案を提出するために調整している。要望も一つの要素として議会での議論を深めたい」と応じた。
北上市が市立大学の基本構想を発表したのは3月。名称を「北上市立工科大学」とし、公立大学法人による先端工学に特化した単科大学をめざす。1学年120人程度を想定。施設整備費は約117億円で、このうち約83億円を北上市が負担する。
同市は戦後、工業団地の整備…