20日から府中の森芸術劇場(東京都府中市)で始まる第65回都吹奏楽コンクールと第44回都小学生バンドフェスティバルステージ部門。20日の中学生の部に出場する板橋区立赤塚三中の明村健太郎教諭は、亡き父との縁を感じる曲の指揮を振る。
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9月半ば、指揮を振る顧問の明村健太郎教諭が部員に、席を立ち、互いに向かい合って演奏するように指示を出した。「心を一つにすることがすごく大事。できるよ、今年のメンバーなら」
自由曲に選んだのは、ショスタコービチ(1906~75)の交響曲第5番の終楽章の吹奏楽アレンジ。冒頭、激しいティンパニの打ち込みに呼応するように、トロンボーンなどの金管が緊迫感のある音でファンファーレを奏でる。マーチングの全国大会常連校らしい音圧で、ショスタコービチの苦悩や悲しみ、そこからの解放など、激しい気持ちの揺れを描く。部員たちはアイコンタクトを取りながら、演奏を作り上げていった。
「運命」のショスタコービチ交響曲第5番
今年、この曲を選んだことは「運命だったのかも」と明村教諭は言う。
10年ほど前に父が亡くなり…