知る人ぞ知る奇妙な生物、「粘菌」の研究家が盛岡にいる。盛岡中央高校の生物教師、玉山光典さん(70)だ。今春は、アフリカのセネガルに新たに3種が存在することを確認し、論文で報告。古希を迎えても衰えない研究への熱意は、生徒に刺激を与えていて、「理科好きになった」という教え子もいたという。
粘菌は動物でも植物でもなく、変形菌とも呼ばれる。湿った環境を好み、身近な雑木林から原生林まで、多様な環境に様々な種が生息する生物のグループだ。
特徴的なのは、まるで別の生き物のように姿を変えて生きること。胞子から生まれ、やがて仲間同士で合体して、ゆっくりアメーバのように動き回る姿になる。さらにその後、胞子を生む際はキノコのような「子実体」という姿になる。
子実体の形状は粘菌の種類ご…