8月5~15日にスイス・ジュネーブの国連欧州本部で開かれたプラスチックごみ汚染対策の国際条約づくりの政府間交渉は、昨年末の前回(韓国・釜山)に続き、頓挫(とんざ)しました。プラごみは分解されず微細なプラスチック片となり、環境だけでなく人体まで汚染する実態が明らかになっており、問題は深刻度を増しています。プラスチックの生産から、使用・消費、リサイクルや最終的な処分にいたる〝上流〟から〝下流〟まで、ライフサイクル全体を管理する条約の実現をはばんだ事情とは。今後の打開に向けた方策は――。
チリ政府代表団の科学アドバイザーとして会合に参加したアレックス・ゴドイさん(デサロージョ大学サステイナビリティー研究センター所長)が、舞台裏を振り返り、提言します。
チリの環境専門家 アレックス・ゴドイさんインタビュー

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私の役割は、交渉が特に健康と生態系へのリスクに関して、根拠に基づく形でなされることと、その根拠が実効性を持ち法的に一貫性のある文言として取り入れられるように助言することでした。
交渉参加国は、二つに割れていました。
一つは、産油国を中心とする国々です。将来の締約国会合で話し合われる対象を、〝下流〟であるプラごみの管理や汚染物質の削減に絞り込もうと動きました。
それに対して、(包括的な管理条約を目指す)「高い野心」を持った国々は、〝上流〟での生産削減も対象にすべきだという立場でした。
ただ、「プラスチックをどれだけ生産するか」を協議の対象にすることは、「どれだけの量の石油を掘るのか」ということを協議することに他なりません。産油国は近年、ガソリンや軽油などの燃料生産から、プラスチックなど化成品生産にシフトを強めています。プラスチックの生産規制を実施すれば、最終的に産油量の削減につながり、自らの経済をリスクにさらすことになります。
私はそれでも、プラスチック生産規制は必要だと考えます。
プラスチック汚染というと多くの人は、浜辺にプラごみがあふれている状態を想像するのではないでしょうか。もしくは、使い捨てのレジ袋の問題ではないでしょうか。
本当の問題は、マイクロプラスチックやナノプラスチックです。

発生源は、タイヤであったり、漁網を含む繊維製品であったりします。また、プラスチックを生産するときに使われる化学物質や、プラごみを減容するために、燃やすことも問題です。燃やせば、熱回収をできるかもしれませんが、最終的には汚染を大気中などに拡散させることにほかなりません。汚染物質の環境中への排出を減らすことは容易ではないだけでなく、マイクロプラスチックやナノプラスチックの汚染から環境を回復させることも同様に困難です。環境へのプラスチック排出を止めることは、どの当事者にとっても困難なことです。ですから、プラ汚染を減らしたければ、プラスチック生産を減らし、代替する素材を見つけるしかないのです。
- 【そもそも解説】プラスチックとは 何からできてる?何が問題?
■規制弱める表現を主張
今回のジュネーブでの会合の話に戻ります。
大きな決定力を持つ米国とい…















