
長野県石油商業組合北信支部のガソリンスタンド事業者による価格カルテル行為を公正取引委員会が認定したことを受け、組合の高見沢秀茂理事長が5日、長野市内で記者会見し、「県民や関係者にご迷惑をかけた。深く反省している」と謝罪した。ただし、組合本部もカルテルを事実上容認したとされた点は「認識の違いがある」と主張。自身を含む組合幹部の進退は「理事会の判断を仰ぐ」と明言しなかった。
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会見には、高見沢氏のほか、副理事長の曽根原幹二=大町シェル石油(本社・長野県大町市)社長=、中島隆=輸入石油(同県飯田市)社長=両氏が出席。3人は謝罪のうえ再発防止策として内部で法令順守の研修などを始めていると説明した。

公取委は、北信支部から価格情報が共有されていた組合本部もカルテルを事実上容認したと認定した。だが、高見沢氏は「(厳しい経営環境をスタンドが)生き残るための調査」で「価格調整の認識はなかった」との主張を改めて展開。その認識のなさも踏まえた公取委の認定ではないかと問われても「認識の違い」を繰り返した。
高見沢氏が社長を務める高見沢(長野市、東証スタンダード上場)は、公取委から課徴金3731万円の納付を命じられ、カルテル行為に関わった18事業者のなかで課徴金額が最も多かった。社長としての責任を問われると「私が指示したことではないが、監督責任を感じている」と言及。「会社の中には様々なセクションがあり、いろんなことをやっている。すべて経営者が知っているかといったら困難なところもある」と釈明した。

幹部人事の刷新は、曽根原氏が「理事会の議題案件」とする一方で「(公取委から求められた再発防止策が)一巡するまでは役目を果たしていく考え」と述べ、当面は続投する意向を示した。高見沢氏も「同じ考え」と同調した。「一巡」を判断するめどについては「いついつということはない」(中島氏)と明らかにされなかった。
知事、直接報告を求め「厳正に対処する」
長野県の阿部守一知事は5日夕、会見について「詳細を承知していない」と断りつつ、組合が公取委の指摘を「認識の違い」と説明していることなどを挙げ、「説明責任を果たし、信頼回復を行うという観点ではいまだ不十分」とするコメントを発表した。県として組合に直接報告を求め、「その上で厳正に対処していく」という。
長野県のガソリン価格カルテル問題を巡る経緯
2月5日 長野県石油商業組合の加盟事業者による価格調整の疑惑を信濃毎日新聞が報道
18日 公取委が組合に立ち入り検査
28日 組合の高見沢理事長が知事に「事実確認できなかった」とする中間報告書を提出。県は再報告を要求
6月30日 組合の第三者委員会が「組織的に価格調整が行われていた」と認定する報告書を公表。組合本部も黙認していたとして幹部刷新などの再発防止策を提言
7月28日 組合が県に対し、独占禁止法違反の行為が一部であったと認める。ただし本部は違法性を認識していなかったなどとして幹部刷新を「検討事項」に
9月2日 県の再報告要請に対し、組合が「違法行為を放置するという意味での黙認はしていない」などと本部の関与を改めて否定
11月26日 公取委が組合北信支部の独禁法違反を認定。高見沢(長野市)などの関係事業者に課徴金の納付命令を出す。組合本体も事実上容認していたとして法令順守を申し入れ






