Smiley face
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妻の言いたいことは分かるのだが……(本文とは関係ありません)=ryanking999/stock.adobe.com

 どっちつかずで、中途半端。

 そう思われるかもしれないけれど、妻と母の間に挟まれると、どうしてもハッキリと言えなくなる。両方の言い分は、痛いほどよくわかるのに、その場ですぐに動けない。ただただ静観してしまう。

 近畿地方に住む会社員の男性(30代)の実家では、元日の夕方から夜にかけ、親戚一同で祖母の家に集まる習慣が、長く続いていた。結婚して、第1子が生まれた年も妻と子と一緒に参加した。

 けれど、いつもと同じとはいかなかった。

 子どもはまだ生後まもなく、眠いのと慣れないのとでぐずりはじめた。ぎゃんぎゃん泣く我が子をあやしながら、妻が「そろそろ帰りたい」というサインを発していた。

 一方、母や親戚は、初孫の誕生に大喜びで、泣いていることすらあまり気にかけていなかった。そのうえ「皆で写真を撮りましょう」と呼びかけだした。「いやいや、もうそんな余裕ないよ!」という妻の心の叫びが聞こえた。でも男性は「子どもがしんどいから、もう帰るわ」のひと言が言えなかった。

 板挟みになり、逆に少しだけイライラした。なんとか「写真だけ撮ったらすぐ帰ろう」と提案して、事態を収めて帰宅した。

 帰りの道中、妻がぽつりと言った。「あれじゃ、子どもが可哀想だよ」。疲れ果てた妻と子どもの様子をみて、翌年は何とかしなくてはと思ったことを覚えている。

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母に言えない「帰って」

 コロナ禍以降、親戚一同で集…

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