
中国が発表した日本向け軍民両用(デュアルユース)製品の輸出規制強化は、電気自動車(EV)など幅広い製品に使われるレアアースも対象になる可能性があるとして、日本企業に不安が広がっている。日本政府や企業はレアアースの調達先を中国以外に広げる取り組みを進めるが、今回の措置による影響がどこまで広がるかは見通せていない。
木原稔官房長官は7日の記者会見で「我が国のみをターゲットにした今般の措置は国際的な慣行と大きく異なり、決して許容できず、極めて遺憾」と述べ、外務省や経済産業省を通じて中国側に強く抗議し、措置の撤回を求めたと明らかにした。
台湾有事をめぐる高市早苗首相の国会答弁以降、中国は日本への渡航自粛など事実上の対抗措置を打ち出してきた。輸出規制の強化にまで発展するのは日本側が恐れていたシナリオだ。
7日夕、中国と関係の深い企業や団体でつくる日中経済協会などが開いた新年の賀詞交歓会で、進藤孝生会長(日本製鉄相談役)は直接的な言及は避けつつ、「大変厳しい環境での幕開けとなった」と発言。中国の呉江浩・駐日大使は異例の欠席となり、代理であいさつに立った羅暁梅・経済商務公使は「現在の中日関係は国交正常化以来、最も厳しい局面に直面している」と述べた。

中国政府は今回の発表で、軍民両用製品について「日本の軍事力を高めるのに役立つ全ての顧客や用途」への輸出を禁止するとしている。
対象品目など不明確な点が多く、「幅広い解釈が成り立ち、恣意(しい)的な運用ができてしまう」(日中外交筋)との懸念が出る。中国国営メディアは、情報筋の話として中国政府が日本向けレアアースの輸出許可審査の厳格化を検討していると報じている。
レアアースが対象となれば、日本企業への影響も大きい。
防衛装備品や半導体、産業用ロボットなどを手がける三菱電機の漆間啓社長は同日、朝日新聞の取材に「現段階で具体的な影響が出ているという話は聞いていないが、影響を精査している」と説明。「こういう事態はありうると想定していた」とも述べ、レアアースの使用量を少なくしたり、一国に頼らない調達網をつくったりするなど対策していると強調した。
防衛産業にかかわる別の電機大手首脳は「まだ内容が分からないので、精査しているとしかいいようがない」と話した。
自動車業界にも警戒感が広が…






