10日のニューヨーク株式市場で、主要企業でつくるダウ工業株平均が小幅に値上がりし、8営業日連続の上昇を記録した。米国の金融政策を決める会合があった先週1日以降、早期の利下げ期待が高まり、値上がりが続いている。
ダウは10日、前日より125.08ドル(0.32%)高い3万9512.84ドルで取引を終えた。8日間での上げ幅は計1700ドルほどに達し、今年3月に記録した史上最高値の3万9807.37ドルに迫っている。
1日の会合後の記者会見で、米国の中央銀行にあたる米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は再利上げに否定的な考えを述べた。その後、就業者数や賃金の伸びの鈍化、失業保険申請件数の増加など、主に労働市場の緩みを示唆する経済統計が相次いで発表された。
パウエル氏の発言や物価高の鈍化につながる経済統計の発表を受け、FRBの早期利下げ観測が拡大。企業の堅調な1~3月期決算発表も重なり、株式が買われている。(ニューヨーク=真海喬生)