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スマホからKAERUカードに入金する。「数秒でできます」と蒲郡市社会福祉協議会の加藤達洋さん=2025年12月19日、愛知県蒲郡市、山田史比古撮影

連載「認知症の人と資産」(全4回)

認知症と軽度認知障害の人は高齢者の約3割を占め、保有する家計資産は計260兆円ともいいます。多発する詐欺や消費者トラブル。ただ、保護を強めれば本人の利用を制限することにも。保護と利用を両立する道を探ります。

 認知症などでお金の管理が難しくなった人の日々の買い物を、どう支援するのか。

 「キャッシュレス決済」による支援サービスが、静かに広がっている。

 温暖な気候で知られる愛知県蒲郡市。緩やかな斜面に、特産のミカンの木が連なる。

 「おはようございます」

 90代の女性が一人で暮らす一戸建てを、ホームヘルパー(訪問介護員)が訪れた。訪問介護は、介護保険制度に基づき、介護が必要な高齢者宅をヘルパーが訪ね、さまざまな援助をするもの。女性は、10年ほど前にアルツハイマー型認知症と診断され、要介護度は1。認知機能が低下した人の権利を守り、手続きなどを支援する成年後見制度と、介護保険による複数のサービスを組み合わせ、自宅での暮らしを続けている。

 「今日は何か特にほしいものある?」。ヘルパーが尋ねる。「いつも通りでええよ」。ヘルパーは、女性宅で「カード」を預かると、車で5分ほど離れた店舗に向かった。

 「本当に物価が高くて。ちょっと離れますけど、この店に来ることが多いです」

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ホームヘルパーが、認知症の女性のために食材などを買い、KAERUカードで決済する。この日は約2千円の買い物だった=2025年12月19日、愛知県蒲郡市、山田史比古撮影

 朝食のレーズンパンに、「お好きなんですよ」というヨーグルト。電子レンジで温めるおでん、お総菜……。女性は本格的な調理は難しいが、レンジなどは扱うことができる。おおむね2日分の食材など、13点で計1988円。預かってきたカードをセルフレジの機械に差し込み、決済はすぐに終わった。

 このカードは、金融とITを…

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