【ニュートンから】お茶のサイエンス(1)

お茶は世界中の人々に広く楽しまれている飲料である。お茶の起源は中国で、かつては薬草とされていた。色や味わいなどの独特の風味はもちろん、集中力が高まるなどの効能に人々は魅了された。
お茶の研究を行う静岡県立大学茶学総合研究センター長の中村順行特任教授は次のように話す。「世界三大嗜好飲料は、コーヒー、ココア、お茶といわれます。これらの三つに共通しているのはどれもカフェインやポリフェノールを含むことです。お茶には、味わいに影響するほどの量のアミノ酸が含まれており、うま味が感じられます。さらにその後の製造工程によっても多様な味わいのお茶ができることが、嗜好品として発展した理由です」。
日本に住む人々が日常的に口にするのは緑茶や紅茶、ウーロン茶だろう。実は、その緑茶も紅茶もウーロン茶も、同じ「チャノキ」という1種の樹の葉が原料となってできている。同じ葉でありながら、化学的な加工を経てまったくことなる味わいへ変わっていくのだ。

お茶の味を決める3種類の成分
お茶に含まれている主な成分はテアニン(アミノ酸の一種)、カフェイン、カテキンである。これら3種類の成分のバランスが、お茶の味を決めている。
テアニンはお茶の中でいちばん多く含まれるアミノ酸だ。ほかにも、アルギニンやアスパラギン酸、グルタミン酸などが含まれる。テアニンは上品なうま味と甘味を持ち、ほかのアミノ酸と同時に味わうことでうま味がさらに増す。
渋味をもたらすのはカテキンだ。カテキンはポリフェノールの一種だ。お茶には構造がわずかにことなる4種類のポリフェノールが主に含まれている。いちばん多く含まれるエピガロカテキンガレートは強い苦味と渋味があるが、口に残りにくく、さらりとした味わいであることが特徴だ。
カフェインも苦味をもつ成分だ。アルカロイドという有機化合物の一種で、さまざまな植物に含まれている。カフェインは脳の中枢神経を興奮させるはたらきがあるため、摂取すると頭がすっきりしたり、目が覚めたりする。かつて薬草とされたのはこの効果によるものだ。
「チャノキの中でも、若くやわらかい芽ほどうま味をもつテアニンを多く含み、うま味のつよいお茶になります。一方で、成長してかたくなった葉は、渋味のあるカテキンがふえます」と中村特任教授は解説する。
日本人がよく飲む緑茶は、中…





