山口県立大学は来春、国際文化学部に情報社会学科を新設すると13日、発表した。高大連携や他大学との合同授業、企業との打ち合わせなどで、インターネット上の仮想空間「メタバース」を本格的に導入し、デジタル社会に強い文系人材「デジつよ文系」の育成を目指す。
現在の国際文化学部は地域の国際化と情報化を担う人材の輩出を目指し、国際文化学科で英語や中国、韓国語といった多言語によるコミュニケーション力をつける教育、文化創造学科では地域文化活性化のための教育に力を入れている。
情報社会学科では、メタバースを本格活用しながら、DX(デジタル化)やAI(人工知能)に関する科目のほか、情報の視点から政治学や経済学を教える。数学に苦手意識を持つ文系の高校生もいるなか、2次試験で数学を課さず、入学後に丁寧に指導するとしている。
田中マキ子学長は発表会見で、従来は理系と文系が社会のなかでうまく融合できていなかったとし、「そこをつなぐのが『デジつよ文系』」と強調した。県立大は今月から全学的に授業などでメタバースを試行的に用い、来年度から本格的に導入していくという。
情報社会学科は定員40人で、保護者や高校生らを対象にした説明会を31日と6月14日にオンラインで開催。また、高校生限定で6月7日と同21日にメタバース会場(各回定員50人で先着順)でも開く。申し込みは大学のホームページから。(大室一也)