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 欧州人権裁判所(ECHR)は16日、ベルギー北部の公立学校で、イスラム教徒の女性が頭髪を隠すためにかぶる布「ヘッドスカーフ」の着用が禁止されているのは信教の自由に反するとして、女子生徒3人が2020年に起こした申し立てを棄却した。「公立校で禁止されているのは目に見えるすべての宗教の象徴が対象であり、区別なく適用されている」とした。

 ECHRに提訴していたのは、ベルギーに住む20~23歳の女性3人。ベルギー北部のフランダース地方にある公立の中等学校(日本の中学、高校相当)に通っていた当時、学校でのヘッドスカーフの着用を禁止された。

 ECHRへの提訴に先立ち、まず17年に、この3人を含む女子生徒11人の保護者が「信教の自由を侵害している」として地方裁判所に提訴した。一審は原告の主張を支持。しかし二審は一転して、「すべての宗教的象徴の禁止は、公教育には必要」として判断を覆した。

細かなルールは学校が独自判断

 女子生徒3人は、「スカーフ…

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