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会見する苫東の経営諮問委員会の寺島実郎委員長=2024年5月20日、札幌市、日浦統撮影
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苫小牧東部地域(苫東)に2023年度に新規進出した企業は三井不動産やテクノフレックスなど8社で、過去10年間で最多だったことがわかった。全企業数は123社で、1970年代に重厚長大産業の工業地帯として開発が始まって以来最多になった。

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 隣接する千歳市に次世代半導体会社のラピダスが進出した効果が大きく、同地域を分譲・管理する株式会社苫東の経営諮問委員会の寺島実郎委員長(日本総合研究所会長)は、20日の札幌市での会見で、この1年で苫東は「ラピダスインパクトで様変わりした」と評価。そのうえで「GX(脱炭素化)やDX(デジタル化)のイノベーションセンターという流れが来ている」と将来に期待感を示した。

 新千歳空港と苫小牧港が近い苫東は苫小牧市、厚真町、安平町にまたがる「日本最後の大型工業団地」。約1万700ヘクタールのうち株式会社苫東の分譲地は約5500ヘクタール。分譲済みは約2割にとどまっているが、苫小牧港は中国と米国を結ぶ日本海物流の中継地点でもあり、寺島氏は「今後の分譲増は希望を持っていいのでは」と語った。

 ラピダスの立地については「まず第一段階は成功した」と評価。ただ、「半導体はしょせん素材。それを使って何をするかという展望が重要になる」と指摘した。また、苫小牧市や千歳市などに半導体をはじめとする高付加価値産業を立地する場合「研究開発者やその家族の生活に合わせてニーズが満たされるような環境整備も必要になる」と強調。文化や教育などに関する産業を周辺に立地させる重要性を訴えた。

 政府は昨年末、2050年までに道内人口が約4分の1減るとの推計値を公表した。寺島氏は「ラピダス効果で北海道に光が当たり始めているが、人手不足にどういう戦略をとるかも重要になってくる」とも指摘した。(日浦統、松本英仁)

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