ヒトのiPS細胞を使って、卵子や精子になる手前の細胞を大量につくることに京都大の斎藤通紀教授のグループが成功しました。こうした研究は国内外で進んでいます。そもそもiPS細胞はどんな細胞で、どんな研究が進んでいるのか、解説します。
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Q iPS細胞とは？
A 無限に増やせ、体を構成するあらゆる細胞に変化できる能力を持つ細胞だ。皮膚や血液などの細胞にいくつかの遺伝子を入れてつくる。
京都大の山中伸弥教授がマウスの細胞から初めてつくって2006年に報告した。「iPS」は「induced pluripotent stem cell（人工多能性幹細胞）」の頭文字から取った。
山中さんは翌07年にはヒトのiPS細胞の作製にも成功し、12年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。
Q どう使われている？
A iPS細胞は試験管内で神経や心臓の筋肉の細胞などに変えられる。これらを移植することで、病気やけがで損なわれた細胞の機能を再生させる「再生医療」への応用が期待されている。
日本では、心不全や、神経難病のパーキンソン病、脊髄（せきずい）損傷、失明につながる加齢黄斑変性の患者に、iPSでつくった細胞が移植されている。ただ、まだ治療法の安全性や効果を調べる臨床研究や治験の段階だ。
Q 卵子や精子はつくれる？
A マウスでは成功している…
