リンゴの誤嚥(ごえん)とみられる死亡事故が、東京都国分寺市内の認可外保育施設で2022年11月に起きていたことが21日、明らかになった。報告書をまとめた都の検証委員会は、眠そうだった女児の口から保育士が指で出そうとしたが、除去しきれなかった可能性を指摘。食事時に眠気を催した子への注意を呼びかけた。
報告書によると、事故は22年11月29日の昼に起きた。1歳5カ月の女児が給食中にリンゴ(縦横2センチ、厚さ3ミリ)を食べながら眠そうにしたため、保育士が女児を立たせ、指で口から一部のリンゴをかき出した。その後、女児はフッと息を吸い込んだ感じになり、顔が青ざめた。救急搬送されたが、死亡した。口からリンゴを除去しきれず、女児が誤嚥し、死亡した可能性が高いという。
報告書では、一般的に、食事中、口に食べ物がある状態で眠そうにする子どもを驚かせると、息を吸い、食べ物を気道に詰まらせる危険があることも指摘した。ただ、検証委の汐見稔幸委員長(東大名誉教授)は、同様の事故は「珍しい」とし、危険性や対処法が周知されていない点を問題視した。
検証委の調査に対し、担当の保育士は「眠くなったら無理に食べさせないという認識はあった」「反射的に口のものをかき出した」などと説明。施設長は「担当保育士には、急に口の中に指を入れると誤嚥する危険があるという知識はあったと思うが、認識は十分ではなかった」と説明したという。
子どもの食事について、国は…