横浜市教育委員会が、教員による児童生徒へのわいせつ事件の刑事裁判の傍聴に多数の職員を動員していた問題で、市教委は22日、被害者側から依頼があったことを示す記録について「明確なものはない」と明らかにした。
市議会こども青少年・教育委員会で、古谷靖彦市議(共産党)の質問に答えた。この問題で横浜市教委は、職員を動員した理由について「事件の被害者側から要請があったため」と説明している。
この日の委員会で、市教委事務局の村上謙介教職員人事部長は「被害者側の皆さまからの意向を確認している」と改めて強調。一方、被害者側との具体的なやりとりについて「記録が残っているかにおいては、明確なものはない」と回答した。
また、4月に就任した下田康晴教育長は、今月15日に初めて動員の事実を知り「直ちに中止するよう指示をした」と説明。加害者側の市教委が傍聴席を埋める対応を取ったことについては「社会的な感覚がずれている。非常識と言わざるを得ない。抜本的に組織を見直す」と述べた。(堅島敢太郎)