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 農林中央金庫は22日、2025年3月期決算の純損益が5千億円超の赤字になるとの見通しを明らかにした。海外の金利上昇で巨額の含み損を抱えている保有債券を売却し、損失を計上する。財務基盤を強化するため、1.2兆円規模の資本増強も検討する。

 この日発表した24年3月期決算は、純利益が前年比24.8%増の636億円だった。歴史的な円安で外国債券などの利息や配当が円換算で増え、含み益のある有価証券も売却した。一方、欧米で金利が急上昇したため、低金利のときに購入した債券の価値が下がり、3月末時点の含み損は2兆1923億円にのぼった。

 これらの債券は、売らずに満期まで持ち続ければ損失は発生しない。ただ、そのまま持っていると収益性が悪化するおそれがあった。そのため今年度中に一部を売却し、金利が高い米国債などに資産を振り向ける。これにより巨額の損失が出てしまうが、財務の健全性を保つため、1兆2千億円規模の資本増強をする。すでに出資を受けているJAグループと協議に入っているという。

市場の影響受けやすい構造だった

 農林中金の奥和登・理事長は…

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