23日午後1時半ごろ、東京都品川区戸越2丁目の2階建て住宅で、「家族5人が室内で死んでいる。すすだらけになっている」と近くに住む親族から110番通報があった。
警視庁によると、住宅1階の寝室から、この家に住む高波冬美さん(37)と、高波さんの長女で小学1年の後藤鈴(りん)さん(6)、いずれも保育園児で次女の後藤玲ちゃん(3)、長男の後藤信(しん)ちゃん(2)が心肺停止の状態で見つかり、4人ともその場で死亡が確認された。
捜査1課によると、4人には胸や首に切り傷や刺し傷があり、現場からは凶器とみられる刃物が見つかった。室内は施錠されており、同課は殺人事件とみて捜査を始めた。
40代の男性が同じ場所で倒れており、煙を吸うなどして搬送されたが意識はあるという。男性は高波さんの元夫で3人の父親。両親は今月に離婚し、5人はその後も一緒に暮らしていたという。
東京消防庁によると、焼けたのは部屋の床3平方メートル。消防が到着した際にはすでに火は消えており、午後2時に鎮圧した。
現場は地下鉄都営浅草線の戸越駅から東に約350メートルで、商店街そばの住宅街の一角。
近所に住む50代の男性によると、2~3週間前に鈴さんに会った際、「学校はどう」と聞くと、「友達がいっぱいできて楽しい」と笑顔で話していたという。男性は「仲の良い家族だったのに」と肩を落とした。