2025年4月に開幕する大阪・関西万博の会場で、大学生が和歌山県の魅力の創出や地域課題について取り組んだ成果を発表する――。そんなプロジェクトが動き出した。学生たちに地域とのつながりを強めてもらう狙いがある。
県と大学などが協力して取り組む「地域魅力創出プロジェクト」。和歌山大、県立医科大、近畿大、和歌山高専の学生ら計約60人が参加し、県内に七つある振興局が設けたテーマに基づき、8人程度のチームでプロジェクトに取り組む。
テーマは、国道370号の利用促進(海草振興局)▽紀の川エリアサイクリングによる誘客・周遊促進(那賀)▽高野山麓(さんろく)地域の周遊観光促進(伊都)▽有田川町清水地域への誘客促進(有田)▽「和食の源流は日高にあり」を世界に発信(日高)▽熊野古道大辺路への誘客促進(西牟婁)▽移住者受け入れ先進地における持続可能な地域づくり(東牟婁)。
19日、和歌山大学の施設でプロジェクトのキックオフ会議があり、学生たちが初めて顔を合わせた。テーマについて説明を聞いた後、各チームに分かれて今後の進め方やスケジュールを確認した。
学生たちはテーマに沿って、キャンプやサイクリングを体験したり、移住に先進的に取り組む地域でヒアリングをしたりする。来年の万博会場で開かれる参加型プログラム「TEAM EXPO 2025」で、プロジェクトについて学生たちが発表することをめざしていく。
岸本周平知事は「若い感性で県職員ではできないような新しい発想を期待したい」と話している。(松永和彦)