第71回春季東北地区高校野球岩手県大会(県高校野球連盟など主催)の準決勝2試合が25日、東北ヒロセ野球場(宮古市)であった。大船渡に競り勝った盛岡大付と、水沢商に快勝した花巻東が26日の決勝に進んだ。両校は6月に宮城県で開かれる東北大会に出場する。
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大船渡の捕手、加藤志(こころ)選手(3年)が攻守でチームを引っ張った。
1点をリードされた四回裏、熊谷航投手(2年)が連打を浴び、無死一、二塁のピンチを迎えると、マウンドに駆け寄り、声をかけた。「思い切って投げよう」
1死後、満塁となったが、ひるまず厳しいコースをついて右飛に。無失点で切り抜けた。
継投した豊間根陸人投手(3年)が八回裏に連打された時も駆け寄り、「持ち味の変化球を生かして攻めよう」と鼓舞した。豊間根投手は「キャッチャーを信じて攻め、三振をとれた。受け身になっていたら更に打たれていた」。
打っては五回表、先頭打者で、スライダーを左前に運んで出塁。「大事な場面で出てくれた」と新沼悠太監督。生還して同点のホームを踏んだ。加藤選手は「秋の県大会で初戦敗退してから鍛えてきた瞬発力や筋力が生きた」と話す。
昨秋の県大会の覇者一関学院を破ったが、同じく強豪の盛岡大付に及ばなかった今大会。夏の大会に向け、「3位決定戦を勝ちきって次につなげたい」と意気込む。(藤井怜)