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今年3月には東大津高校生が龍谷大学でVRを体験した=大津市瀬田大江町の龍谷大瀬田キャンパス、東大津高校提供
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 滋賀県立東大津高校(大津市)が、龍谷大学先端理工学部(同市)と、デジタル分野に強い人材育成の連携を進める覚書を結んだ。まずは高校生と大学生が協力して、画像や動画、音声などのデジタル展示物を作り、今夏のオープンキャンパスで発表することをめざす。

 連携では、両校の教職員の交流を促進し、先端理工学部の教員による高校生への授業や、大学生と高校生による共同制作を想定している。10日に龍谷大であった締結式には、東大津高の馬場光仁校長と龍谷大先端理工学部の岸本直之学部長が出席した。岸本学部長は「高校生に伝えることで大学生にとっても成長につながる。今後、大学全体での締結につなげ、連携して滋賀県の産業界で活躍する人材を育成していきたい」と話した。

 東大津高は、今年度から始まった文部科学省の「高校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」に採択された。ICT(情報通信技術)を活用した文理横断的で探究的な学びを強化し、デジタル人材の育成をめざしている。大学との連携を通じて、文系理系を問わず生徒全員に数理やデータサイエンス、AIの素養といった「デジタルリテラシー」を身につけてもらいたいという。

 協定後に龍谷大であった初めての授業に参加した2年生の洞海来斗(みくと)さん(17)は「大学でVR(仮想現実)の機械にも触れさせてもらえて衝撃を受けた。貴重な経験だった。将来はパソコンで音楽やゲームをつくりたい」と話した。今後、大学生と高校生が協力して、「情報」をキーワードに将来の自分の姿を伝えるコンテンツを制作し、両校の夏のオープンキャンパスで発表するという。

 東大津高は9クラス全てが普通科。近隣の高校は理数科や音楽科などの併設校だ。2026年度から新しくなる県立高校の入試では、各校のスクールポリシーに基づいた学校独自型選抜が始まり、各校が特色を示すことが求められている。馬場校長は「普通科はなにをめざしているのか、差別化や魅力化が求められている。より実践的な学びができることを中学生にアピールしていきたい」と話す。(林利香)

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