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 ペーパー会社の法人口座を使って資金洗浄(マネーロンダリング)したとして会社役員ら12人が逮捕された事件で、容疑者グループが、異なる金融機関の口座を使って次々と資金を移し替えていた疑いのあることが捜査関係者への取材でわかった。複数の金融機関にまたがる資金移動は不正に気づかれにくいと専門家は指摘する。

 グループが管理する法人口座はネット銀行を含め多数の金融機関に設けられ、少なくとも計約700億円が入金されていたとされる。大阪府警は、制度面の「穴」も背景にマネロンビジネスが続いていた可能性があるとみている。

  • 月100億円の入金、口座間で資金移動…マネロン容疑者の「錬金術」

 詐欺や組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の隠匿)の疑いで逮捕されたのは、川崎市の会社役員、藤井亮平容疑者(41)ら男12人。府警によると、他人名義のペーパー会社をつくって口座を設け、入金された投資詐欺の被害金を他の資金と混ぜながら複数の口座に移すなどして、2件の資金洗浄に関わった疑いがある。

 捜査関係者によると、このうち1件の資金洗浄では少なくとも三つの法人口座が使われ、いずれも異なる金融機関に開設されていた。もう1件で確認された二つの口座も異なる金融機関のものだったという。

■専門家「金融機関の対策に限…

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