国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は29日、世界で昨年執行された死刑は少なくとも1153件に上り、前年の883件から31%増えたとの調査結果を明らかにした。イランでの執行増が目立ったと指摘している。
アムネスティが公表した世界の死刑に関する年次報告書は、死刑執行数は中国、イラン、サウジアラビア、ソマリア、米国の順に多かったとしている。ただ中国については、数千件にのぼると推定されるものの「国家の秘密主義」のため正確な数字が把握できないとしている。そのうえで「死刑が国家統制や、反対意見抑圧の国家の道具として使われ続けている」と批判した。
イランでは少なくとも853件の死刑執行があり、前年(576件)から48%増えた。このうち少なくとも545件は薬物関連の犯罪や強盗、スパイ行為などで「国際法上死刑となるべきではない」と指摘している。
米国の執行数は前年の18件から24件に増加。アイダホ州とテネシー州では銃殺刑を実施する法案が提出されるといった動きがあった。
執行があった国の数は最少に
死刑判決の言い渡しも増加…