米政府当局者は30日、バイデン大統領がウクライナに対し、米国が提供した武器でロシア国内を攻撃することを一部許可したと明らかにした。ウクライナ北東部ハルキウ周辺への攻撃に対する反撃に限定する。戦況の厳しさを受け、米ロ関係の緊張を避けるために課してきた制限の一部緩和に踏み切った。
当局者は取材に「大統領は最近、ウクライナがハルキウ地域で反撃の目的で米国の兵器を使えるようにすることをチームに指示した」と話した。「ウクライナを攻撃したり攻撃準備したりしているロシア軍に反撃できるようにする」と説明している。一方で、射程が300キロほどとされる地対地ミサイル「ATACMS(アタクムス)」を使うなどして、ロシアの国土の奥深くに長距離の攻撃をすることは引き続き禁止するという。
ハルキウは国境にほど近く、ロシアが越境攻撃をしている。米政府の方針変更を最初に報じた米ニュースサイトのポリティコによると、ウクライナはこれで、ハルキウに近い国境のロシア側に集結したロシア軍部隊を攻撃したり、ウクライナ領土に向けて爆弾を発射しようとしているロシア軍爆撃機を撃墜したりすることができるようになる見通しだ。
米国は2022年2月にロシ…