インドネシアの次期大統領であるプラボウォ国防相は1日、シンガポールで開催中の「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で特別講演した。激化する米中対立について「地政学的な緊張の高まりにグローバルサウス(新興国・途上国)は幻滅している。大国には責任が伴う。人類の利益のため、互いに協力できるはずだ」と述べ、米中双方に妥協を迫った。
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演説後の質疑の中でプラボウォ氏は「インドネシアには伝統的、歴史的に知られているように非同盟の政策がある」と語り、米中どちらにもくみしない姿勢を強調した。一方で「本当の安全は、隣人との良好な関係がもたらす」と述べ、かつて対立したマレーシアやシンガポール、東ティモールとの関係が劇的に改善したと指摘。東南アジア諸国連合(ASEAN)など隣国との関係を最重視する考えを示した。
「誤算と無理解が生む危険」
プラボウォ氏は昨年のシャン…